前回の記事で成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された息子ですが、今回はいよいよ始まった成長ホルモン補充治療について、注射の種類や費用までを書いていきたいと思います!
自宅での成長ホルモン自己注射
健康な子供の場合、夜間に成長ホルモンの分泌が最大になります。
成長ホルモン分泌不全のある子供に対しては毎日一回、就寝前に成長ホルモンの注射を打ちます。
そうすることで正常な分泌周期に近づけるようにします。
なぜ飲み薬ではなく注射なのかというと、成長ホルモンはタンパク質でできており経口投与だと胃で分解されてしまい効果を全く発揮しないからです。
注射を打つために毎日通院する必要はありません。自宅で家族の者あるいは自分自身で注射してよいことになっています。
いくつかある注射から選ぶ
そして成長ホルモンの製剤と注射はいろいろな製薬会社から出ています。
薬の一般名は「ソマトロピン」といい、これが成長ホルモンのことです。
各社からでているものは、商品名は違えど中身は同じ薬剤です。
病院で看護師さんが各注射の特徴を説明してくれます。
注射器の種類には、おおまかに以下のような分類があります。
- 「針あり」と「針なし」
- 針あり ▶︎ 0.2mm程度の細い針を使っています
- 針なし ▶︎ 圧力によって成長ホルモン剤を体内に注入します
また、「針あり」には注射針が見えるタイプと打つ時には注射針が隠れて見えないタイプがあります。
「針なし」や「針が見えない」タイプは注射針を怖がるお子さんには良さそうですね!
- 「薬剤一体型」と「薬剤充填型」
- 薬剤一体型 ▶︎ 薬剤が注射器にあらかじめ充填されています
- 薬剤充填型 ▶︎ 薬剤の入ったキットを注射器にセットして使います
薬剤一体型は薬剤を使い切ったら注射器ごと交換します。
さらに、この薬剤には「凍結乾燥製剤」と「液状製剤」があり、凍結乾燥製剤は粉末状で使用するときに溶解操作といって液状に溶かす作業を行います。
液状製剤はあらかじめ液状なので溶解操作が必要ありません。
ちなみに、保管方法の違いはありません。凍結乾燥製剤も液状製剤も冷蔵保存です。
我が家では冷蔵庫の冷蔵室ドアポケットに保管しています!
- 「電池内蔵型」と「電池内蔵でない」
- 電池内蔵型 ▶︎ 注射器を注射を打つ部位に当ててスイッチを押すと電動で針が体内に入り薬剤を注入します
- 電池の交換や充電が必要です。
参考:ヒト成長ホルモン剤特徴一覧(日本小児内分泌学会 )http://jspe.umin.jp/medical/files/GH1.pdf
「この注射」を選んだ理由
はっきりとは覚えていませんが(^_^;)うちの子供が検査を受けた病院では確か3〜4種類の注射から選ぶことができました。
すべて「針あり」タイプで針が見えるタイプと隠れているタイプがありました。
我が家ではノボ ノルディスク ファーマ 株式会社の「ノルディトロピン フレックスプロ 」を使うことに決めました!
この注射のタイプは「針あり(針が見える)」「薬剤一体型」「電池内蔵でない」タイプです。
決めた理由は以下の2点です。
- コールセンターがいつでも対応してくれる
- おじいちゃんが同じ注射を使っている
いつでも対応してくれるコールセンターを構えている製薬会社は他にもありました。
ただ、息子の祖父(私の父)が、インスリン療法で同じノボノルディクスファーマの注射器を使っているんです。
それで、「注射、おじいちゃんと一緒だね!」というとっかかりで息子の注射に対する不安や怖さが和らぐといいな、と思って選びました。
「針が見えない」タイプを選ばなかったのは、もともと息子が強く注射を怖がるタイプではないことと、成長ホルモン注射を打つ部位が臀部(お尻)なので針が刺さる場面は息子に見えない、という理由からです。
針が怖いお子さんの場合は、たとえ打つ場面が見えなくても「針が見えない」タイプが有効かも知れませんね(^^)
結果として我が家の場合、使いやすさや溶解作業の有無を重視して選んではいません。
ただ、実際に使い始めてから他の注射のタイプや特徴を調べるうちに、ノルディトロピンフレックスプロを選んで良かったと改めて思ってます!
理由は、「手間が少ない」からです!これに尽きます!
注射は毎日のことなので、なるべく手間が少ないに越したことはありません。
薬剤の充填や電池交換、溶解作業など無いノルディトロピンフレックスプロは、慣れれば毎日の作業は1分もかかりません。
もちろん、他のタイプも慣れれば苦にならないのだと思います!
ただ、うちの場合はたまたま手間のかからない注射器から始めたため、今から他のタイプに変えるのは面倒に感じてしまいますね。
疑似お尻で注射の練習!
さっそく病院で注射の練習をさせてもらいました。
といっても息子に注射するのではなく、作り物のお尻で練習します。成長ホルモン補充治療用の擬似お尻だと思いますが、こんな物まであるんですね!
実際にノルディトロピンフレックスプロの操作方法を看護師さんが説明してくださり、疑似お尻に注射しました!
毎日の注射治療開始!
薬剤一体型の注射を持ち帰り、その日の夜から成長ホルモン補充治療が始まりました!
成長ホルモン補充治療は、
- 注射を打つのは毎日一回、寝る前
- 打つ前に注射器を冷蔵庫から出しておく
- 打つ部位は「お尻」や「太もも」
- 痛みはあまりない、チクっとすることもある
という感じです。
前述しましたが、正常な子供の場合は夜間に成長ホルモンの分泌が最大になります。
この生理的な成長ホルモンの分泌に近づけるために、子供の成長ホルモン注射は寝る前に打ちます。
我が家の子供達は21時になったら寝る準備を始めて遅くとも21時半までには就寝してます。息子は21時になったら歯磨きと注射が日課になりました(^^)
薬剤が冷たいと打った時に痛いらしく、打つ前に冷蔵庫から出しておくように病院で説明を受けました。
うちの場合は夕食が19時過ぎからの事が多いのですが、夕食時に注射も冷蔵庫から出しておきます。
それでも時々、注射を冷蔵庫から出し忘れて21時に気付くこともあります(^_^;)
そんな時は、冷蔵庫から出したばかりの冷たい注射をそのまま打ちます!
ただ息子に聞くと、薬剤の温度で痛みの違いはあまりないみたいです。
でも日によって痛かったり、全く痛くなかったりするそうです。
これは薬剤の温度よりも刺す部位の違いによるものだと思います。
皮膚には痛みを感じる「痛点」というのが1mm四方に1〜2個あるそうです。
ここに当たると痛みを感じます。ただ、痛点は目に見える訳ではありませんので、たまたま痛点に当たれば痛く、当たらなければ痛くないのだと私は思っています!
そのため息子も、「今日は全然痛くなかった!」「今日はちょっと痛かった〜」などと言っています(^^)
痛みといっても大したことはないようなので、あまり気にせず毎日注射しています!
費用について
どの製薬会社の注射器を使うかによって費用に若干の違いがでるようです。
使用している薬剤は同じなので、おそらく注射器の構造による違いなのではないかと思います。
ジェネリックの薬剤と注射もあるようなので、その製薬会社の注射を選べば費用は抑えられますね。
ただ、小児医療費助成の制度を利用できれば家庭の自己負担はゼロです。
小児医療費助成については各自治体により条件が異なりますので、お調べいただいてからの方が良いと思います。
参考:「乳幼児等に掛かる医療費の援助についての調査」について(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213116_00001.html
ちなみに、小児医療費助成を受けられない場合は高額療養費制度を上限一杯まで利用するようになるそうです。高額な治療であることが分かりますね。
参考:高額療養費制度を利用される皆様へ(厚生労働省保健局)https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf
今回は以上です。
いかがだったでしょうか?
少しでも実際の治療の流れがイメージできれば幸いです(^^)
今後は成長ホルモン補充治療による息子の成長を追っていき、記事にしていきたいと思います!
また、この病気そのものについてもっと色々な情報を記事にしていく予定です!
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